やり直す場合でも夫の不倫・浮気相手に慰謝料請求してもいい?

ご相談を通して得られた「智」
ご相談を通して得られた「智」
この記事は約6分で読めます。


前回前々回前々々回前々々々回と、
4回にわたって、
夫の不倫・浮気後にやり直すことを
夫婦で決めた場合に
気をつけたいことについて
書いてきました。

 

今回は、夫の不倫・浮気発覚後に
夫婦でやり直すことを決めた後に、
夫の不倫・浮気相手に慰謝料請求を
することについて
書いていきたいと思います。

 

私は行政書士でもあるので、
夫の不倫・浮気相手に慰謝料請求をしたい!
という方から
ご相談をいただくことがあります。

 

正直、難しいなぁ・・・、と思っています。

 

夫とは離婚する予定で
証拠もそろっているというのなら、
特に問題はないですよね。

 

問題なのは、
夫とはやり直したいという場合で、

しかも、
夫は相手への慰謝料請求に反対している、

もしくは、
慰謝料請求をすることを知ったら
反対すると思われる場合ですね。

 

こういう場合についての私の考えは、

「夫が本当の本当に嫌がっている
 のであれば、やめた方がいい」です。

 

どうしてかと言うと、
夫が本当の本当に嫌がっていることを
無理矢理に決行しようとすれば、
夫から嫌われてしまうからですね。

これから夫と
やり直していこうというときに、
夫から嫌われることをしてたら、
やり直しなんて進まないですから・・・。

 

でも、きっと、
それでは納得いかないですよね。

「自分がこんなにつらく苦しい思いを
 したんだから、夫も苦しんで当然。
 それくらい耐えるべき」

「夫とやり直していきたいからこそ、
 相手に慰謝料請求をして
 気持ちの整理をつけたい」

私も、あなたのその思いは、
本当によく分かります。

 

でも、
夫が相手への慰謝料請求を
強硬に嫌がる場合には、
どうしてそうも嫌がるのかを
想像してみてほしいんです。

 

例えば、
会社の同僚や部下が
不倫・浮気の相手だという場合なら、

その相手に慰謝料請求をすれば、
自分(夫)の会社での立場が
危うくなるかもしれない・・・など、

何らかの困った状況に
自分が追い込まれることを恐れて、

夫はそれを強硬に嫌がっている
ということが考えられます。

 

そこで、もう1歩踏み込んで
想像してみていただきたいのは、

そういったピンチの状況において、
恐怖を感じるほどの困った状況に
自分(夫)を追い込もうとしている
相手(妻)に対して、
夫は愛情を感じることができるのか?
ということです。

 

自分がその立場だったら、
どうでしょう?

 

自分を窮地に落とそうと
追い込みをかけてくる相手に対して、
あなたは愛情を感じられますか?


そういう状況で相手に感じるのは、
愛情ではなく、
恐怖や嫌悪なのではないでしょうか。

 

「いやいやいや、
 何を甘いことを言ってんだか。
 不倫・浮気という悪いことをしたのは
 夫なんだから、その報いや罰は
 ちゃんと受けてもらわないと。

 たとえ、困った状況に陥るとしても、
 それは自分で蒔いた種なんだから、
 それくらい自分で刈り取ってもらわないと。」


ここまで読まれて、
そう思われた方もいますよね。

 

私も離婚するんだったら、
そのスタンスで全然いいと思うんですよ。

もしくは、夫の方が
「どうしてもやり直したい。
 そのためならどんなことでもする」
と言っているとかね。

(まぁ、そんな夫だったら、
 相手への慰謝料請求を強硬に
 反対したりはしないですね・・・)

 

でも、むしろ妻(の方)が
離婚ではなくやり直しを望んでいる場合に、

夫の方が
「そこまでするんなら、もう離婚でいいや」
とか、離婚はしなくても心底妻への気持ちが
冷えてしまったりするのでは、
「やり直し」という本当の目的が
果たせなくなってしまいますよね。


それって、本末転倒じゃないですか・・・?

 

そうすると出てくるのが、

「夫に内緒でやればいいのでは?
 相手には夫に言わないように
 約束をさせればいいんじゃない?」

という考えなのですが、
たとえ仮に相手がそんな約束を
してくれたとしても、
その約束を守ってくれる保証が
ないですよね。

 

これが、まだ不倫・浮気の継続中で、

「夫と別れてください。
 今別れてくれるなら慰謝料請求は
 しないであげます。

 このことは夫には黙っていてください。
 もし夫に話したら
 予定通り慰謝料請をしますから」

とかであれば、
夫に話さないでおくメリットが
相手にもありますから、
相手も約束を守る可能性が高くなります。

 

でも、
相手の方に夫に黙っておくメリットが
何もないのであれば、
そんな約束は守られないと
考えておいた方がいいでしょう。

(もし「相手は悪いことをして
 私に迷惑をかけたんだから、
 約束くらい守るべき」みたいな考え方を
 持っているとしたら、
 相手には通用しないので捨てた方がいいです。)

 

で、夫には内緒で
相手に慰謝料請求したはずなのに、
それが夫の知れるところに
なってしまったら・・・?


夫にとっては、
「不意打ち」になっちゃいますよね。

 

「不意打ち」って、
本当にショックが大きいので、
自分がされると、
した相手に不信感を抱くようになります。


そうなると、
妻の行為で信頼関係に
ヒビを入れてしまう恐れがあります。

 

そもそも信頼関係に
ヒビを入れるようなことをしたのは誰だ?
って話ではあるんですが、

人間って誰しも勝手なものですから、
自分が「したこと」よりも
「されたこと」にフォーカスしちゃう
ものなんですよね・・・。

 

だから、
「夫に内緒で」っていうのも、
私はお勧めしません。

 

あとは、

「夫に自分のしたことの責任を
 自覚させるために、
 相手に慰謝料請求をしたい」

というのもありますよね。


あえて、

「夫を厳しい立場に置くことで
 自分の責任を痛感させる」

というものですね。

 

これもね、もくろみ通り、

「あ~、自分がしでかしたことのために、
 こんなことになってしまった。
 本当に自業自得だ。
 今、自分が受けている苦しみこそが、
 まさに、自分が不倫・浮気によって
 妻や子どもに与えてしまった苦しみなんだ」

とか自覚してくれればいいですよ。

 

でもね、夫の「大人度」によっては、
全然その趣旨を理解できずに、
ただただ自分が追い詰められている
としか感じられずに、
逆に被害者意識を募らせてしまう
可能性もありますからね。

 

こういう場合には、
前々回の記事でも書きましたが、

夫がそれをちゃんと受け止められるほどの
「大人」なのかどうかを
考えてみた方がいいかもしれません。

 

結局、夫婦を続けていけるかは、

「正しい・正しくない」
「良い・悪い」ではなく、

「夫婦としてやっていく気があるか・ないか」
の、ただそれだけってことです。

 

確かに、
不倫・浮気という悪いことをしたのは
夫ではあるんですが、追い込み過ぎて
「夫婦としてやっていく気」を
なくさせてしまったら、

「そんなのヒドイ!」と言っても
しょうがなくなってしまいますからね・・・。

 

と、ここまで読まれても、

「それでもやっぱり私は
 相手に慰謝料請求をしたい!」

という方もいらっしゃいますよね。


そういう方は、
やってみるのがいいと思います ^ ^

 

これは、突き放しているとか、
そういうことではなく、
その方が後で後悔しないからですね。


それをすることのリスクを認識した上で、

「それでもやる!
 自分の思う通りの結果にならなくても
 誰のせいにもしない!」

と自分でリスクを含めての結果を
引き受ける覚悟があるのであれば、
やればいいのです。


その方が後で後悔しないですから ^ ^

 

大事なことは、
慰謝料請求をするもしないも、
リスクやメリット・デメリットを
把握した上で、自分で決める、
自分で判断することです。

 

「〇〇にやめろって言われたから」とか
「〇〇にこうした方がいいって言われたから」

と、自分では本当はそう思っていないのに、
誰かのせいにしてお茶を濁さないことです。

 

実際に、
「覚悟を決めて相手に慰謝料請求をしたら、
 夫はいったんは出て行ってしまったけど、
 数か月後に戻ってきた」

ということもあれば、逆に、

「夫が嫌がるからやり直しを優先して
 慰謝料請求をしなかったのに、
 また同じことを繰り返された」

ということもあるワケで。

 

個々のケースで事情も違いますし、
何をしたらどうなるかなんて、
実際には、
やってみなくちゃ分からないってことです ^ ^

 

でも、忘れてはいけないのは、
夫婦は ” 敵同士 ” ではない」ということ。


離婚ではなく、
やり直しをしたいのだとしたら、
夫を「敵」として
やっつけてしまわないように
気をつけてくださいね。

 

タイトルとURLをコピーしました