自分の見たいように見ているうちは修復は難しいかも…

ご相談を通して得られた「智」
ご相談を通して得られた「智」
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奥さんがお子さんを連れて
家を出て行ってしまった
というご相談などで、

離婚済みか否かを問わず、
お子さんと一緒の生活に戻りたい
と切望しているご主人の口から
わりとよく聞かれるのが、

「子どもがまともに育つためには
 両親が揃っていることが必要なのに、
 妻が聞く耳を持ってくれない」

というフレーズです。

 

このフレーズをお聞きすると、
申し訳ないのですが、

「そりゃ、そう
 (聞く耳を持ってもらえない)
 だろうな・・・」と、
まず感じてしまいます。

 

というのも、
お子さんを連れて
出ていった奥さんだって、当然、
お子さんのことは考えたでしょうし、

考えた上で、
「お子さんを連れて出ていく方がいい」
という決断をされて
出ていったんでしょうから。

 

それに、
「子どもがまともに育つためには
 両親が揃っていることが必要」
って・・・。

まるで、親が離婚をすると、
その子どもはまともな大人には
なることができないかのような
激しい決めつけ・・・。

 

そりゃ、
両親揃っていることに
越したことはないと思いますよ。

でも、
親が離婚をすると、その子どもが
まともな大人になれないなんて、
そんなことはないですよね。

 

離婚が珍しいことでは
なくなりつつある今、
周りを見回せば、

離婚してもきちんと子育てしていたり、
両親が離婚していても
立派に普通の大人として
暮らしている人はごまんといます。

 

逆に、両親が揃っていても、
問題行動や犯罪に
手を染めるようになる人も
いるわけですから、

両親が揃っていることは、
子どもがまともな大人に育つための
「望ましい条件」では
あるかもしれませんが、
「絶対必要条件」ではないはずです。

 

このフレーズが、
ご相談者様の親世代の方から
発せられたのであれば、

「まぁ、本当にそう思っていても
 無理もないかな・・・」

とも思えるのです。

 

実際に、
息子さんや娘さんの離婚問題に
心を痛めてご相談される方は
いらっしゃいますし、

そういった親御さんは
自分のお孫さんの将来を心配して、
同じようなフレーズを
口にされることはままあります。

 

今、30代、40代の方の親世代の方々が
子育てをされていた頃は、
今よりも「離婚」へのハードルが
断然高かったでしょうし、

それだけに、
今よりも離婚家庭への偏見も強く、
その偏見のまなざしは、
親が離婚した子どもに対しても
同様に注がれていたでしょうしね。

 

それに、現役世代に比べれば、
ネットを利用する人も少ない
ということも考えられ、

気軽に気になったことを検索して
知識を得るといった機会を
持っていない方も
少なからずいらっしゃるのだろう
ということを考えれば、

可愛いお孫さんを心配するあまり、
持っている思い込みを強くする
というのも、理解できるのです。

 

でも、
インターネットを使いこなし、
普通に仕事をしている現役世代の方々が、

本気で何の疑いもなく

「子どもがまともに育つためには
 両親が揃っていることが必要」

と強く口にする機会に接すると、
違和感を感じずにはいられないのです・・・。

 

なぜかと言えば、私自身は、
書籍でもネット上でも、
専門家の発信の中で

『子どもがまともに育つためには
 両親が揃っていることが必要』

なんてフレーズを見たことは、
この仕事をする前も、
この仕事を始めてからも、
ただの一度もないからです。

 

むしろ、

『大切なことは、
 両親が形式上揃っているか否かよりも、
 子どもに安心できる安全基地としての
 機能を提供できているか否か』

といった内容については、
ちょっとネット検索するだけでも、
信頼できる専門家の発信として
普通に目にできるんですけどね・・・。

 

じゃぁ、こういった発言をされる方々は
ネット検索などはしないのかと言えば、
もちろんそんなことはなく・・・。

 

「自分達夫婦の仲が
 うまくいかなくなった理由」

などについては、ネット検索をして、

「原因は〇〇だと思われるから、
 やり直していくためには、
 お互いに△△に気をつければいい」

といった方針などを
持っていたりするわけです。

 

それなら、
「離婚と親子関係」についても、
ネット検索してみればいいのに・・・と、
思うわけですが、

それはしないか、
しても自分に都合の悪い情報は
目に入らないか、
なんでしょうね。

 

そう・・・。

結局は、
「見たいように物事を見てる」
ってことですよね。

「起きている現象について、
 自分の見たいように見て、
 自分が解釈したいように解釈する」

 

まぁ、それが、
こんなことを言っている私を含めての、
人間のサガなんでしょうけどね。

 

でもね、何も問題のないときなら、

「それが人間のサガってもんだよね」

で済むと思うのですが、
夫婦関係を修復したい・やり直したい
というときには、
それではうまくいかないですよね。

 

ひとつの出来事についても、

「自分の見たいように見る」
だけでなく、

「相手にはどう見えているのか」

「自分の見え方と相手の見え方には
 どんなズレがあるのか」

そういったことを
理解しようとしなければ、
今の状況からは
一歩も前には進めないでしょう。

 

多分ですが、
こういうケースで
夫婦関係がおかしくなったメインの原因は、

ご自分で分析したような〇〇ではなく、
「自分の見たいように物事を見て」
きたことにあると私は思います。

 

このように
「自分の見たいように物事を見て」
きたことが
原因のひとつと思われるケースでは、
ご主人が奥さんに

「自分勝手」
「自己中心的」

と批難されていることが多いです。

 

そりゃ、まぁ、

「自分の見たいように物事を見る」
ということは

「自分の都合の良いように物事を見る」
ということでもありますから、

奥さんの目には
「自分勝手」「自己中心的」
に映りますよね。

 

でも、
このように奥さんに
批難されるご主人には、

自分が「自分勝手」「自己中心的」
と言われる理由が分からない、
身に覚えがない
という方が多いようにも感じます。

 

「自分には理由が分からない」
「身に覚えがない」のに、

相手がそう批難してくるのは、
もしかしたら、自分が

「見たいように物事を見ている」

ことを教えてくれている
サインかもしれません。

 

幸運にも、
そのサインをキャッチできたなら、
適当にスルーしないで、

「相手には自分の何かが
 そう映っているのかもしれない」

と、自分を振り返ってみたり、
何が相手の目にそう映っているのか
を聞いてみたりしてみてください。

 

相手が、自分に、
直接そう訴えかけてくれているうちに
気づくことができれば、

まだ間に合う可能性の方が
高いと思いますから ^ ^

 

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