幸せ夫婦でいるための「思いやり」ってどんなもの? -その2-


前回は、夫婦の間に必要とされる
「思いやり」を考える際の
2つのポイントのうちの1つ目、
相手の話(特に困りごと)を
「自分ゴトとして考えること」

についてお伝えしました。

 

今回は、
もうひとつのポイントについて
お伝えしていこうと思います。

その2つ目のポイントは、
「相手の立場に立って考える」ことに
潜んでいる落とし穴に注意する
こと
です!

 

よく、「思いやり」とは
「相手の立場に立って考えることだ」
と言われます。

 

それは、
本当にその通りだと思うのですが、
実は、
「相手の立場に立って考える」ことには、
一歩やり方を間違えると、
「思いやり」とは真逆の方向に行ってしまう
危険性が潜んでいるので、
実践には注意が必要です。

 

よくやってしまうのが、
「自分が相手の立場に立ったら
どう思うだろう・・・?」と
相手の立場に自分をスライドさせて
考えるやり方ですね。

 

相手の立場に立って
考えるための第1歩としてなら、
この「相手の立場に
自分をスライドさせて考える」
やり方を否定はしません。

 

「こんなこと言われたら、
 私だったらとても悲しいだろうな」

「私だったら、
 あんなことされたら許せないだろうな」

「もし自分が同じことをされたら
 怒って当然だな」

「自分だったら、
 こんな状況には耐えられないだろうな」

 

といった具合に、
相手の立場に自分をスライドさせることで
相手の状況に心を寄せることが
できますからね。

 

でも、このやり方が通用するのは、
相手と自分が比較的に
似た者同士である場合ですね。


ものごとの捉え方や受け止め方が、
同じだったり似ている場合には、
このやり方でも問題ないかもしれません。

 

でも、
世の中に全く同じ人っていないですよね。

 

いくら趣味が合って
結婚した夫婦であっても
何もかもが同じってことはないでしょうし、
関係が密接な夫婦であればこそ、
ささいな違いが大きく感じられる
こともあるでしょう。

 

それに、
ものごとの捉え方や受け止め方、
気質や性格などが全く違う者同士の
夫婦も少なくはないですよね。

 

そういった場合に、
「相手の立場に自分をスライドさせる」
やり方で、相手の立場に立ってみても、
な~んにも見えてこなかったり、
ひどい場合には「思いやり」とは
真逆の方向に行ってしまう
ことすらあります。

 

たとえば、わりと楽観的で
物事が思うように進まなくても
切り替えが早い「夫」と、

かなり心配症で不安が強く、
思う通りに物事が進まないことが
すごく気になってしまう「妻」

という組み合わせの
夫婦がいるとします。

 

このような組み合わせの夫婦の場合、
ちょっとしたことでも
妻が心配のあまり夫に相談を
持ち掛けることが多くなったり、
思い通りに物事が進まないことについて
妻が夫にいつまでも
グチグチ言いつのったり
といったことが起きてきます。

 

そうすると夫の方は、

「気にしすぎなんだよ。
 そんな悩んでもしょうがないことで
 悩むなんてバカじゃないのか・・・。」

と思ったり、
それを口にしてしまったりします。

 

で、それを耳にした妻から

「あなたは人の気持ちが分からない
 思いやりのない人だ!」

と罵倒されたりしちゃうわけです。

 

このような場合に、
妻が求めている「思いやり」を
夫が発動するためには
どうしたらいいのでしょうか。


もちろん、
「相手の立場に自分をスライドさせる」
やり方ではダメですね。

 

そのやり方でいくと、

「もし、自分が妻の立場に立ったら
 どう思うだろうか・・・。
 もし自分が妻の立場だったら、
 こんな悩んでもしょうがないことでは
 絶対に悩まないだろう。
 やっぱり、こんなつまんないことで悩んで、
 いつまでもグチグチ言ってる妻が
 おかしいんだ。」

と、なってしまうので、
「相手の立場に立って考えて」みても
全く妻の状況に心を寄せることは
できないわけです。

 

なので、こういう場合には、

「もし妻のように不安の強い人間が、
 今のような状況に置かれたら
 どう感じるだろう・・・?」

と、「相手の立場に相手を置いたまま」
で考えてみる
ことが必要になってきます。

 

そうすると、

「妻のように
 不安の強いタイプの人間ならば、
 この状況ではいろいろ心配になって
 しまうのかもしれないな・・・」

くらいには、
思えてくるのではないでしょうか。

 

そして、このくらいに思えてくれば、
実は、もうそれで十分だったりします。

 

タイプの同じ人間であっても
完全に相手のことを理解するのは
無理でしょうから、

タイプの違う人間である
夫婦の場合には、なおさら、
相手を理解していくことは
難しいでしょう。

 

でも、完全には理解できなくても、

「妻(夫)のようなタイプの人間が、
 〇〇の状況に置かれたら、
 △△になってしまうのかもしれないな・・・」
と、

こんなふうに捉えるだけで、
相手の状況に心を寄せたり、
相手を受け入れたりできる
余地が生じるのではないでしょうか。

 

そうすれば、
自分には全く問題と感じられないことで
相手が悩んでいても、

「あ~、まぁ、そうだね。
 この状況だったら
 不安になっちゃうかもしれないね。
 でも、きっと大丈夫だよ。」

といった言葉をかけてあげられる
ようになるのではないかと思います。

 

「なんでこんなことでそんなに悩むの?
 こんなしょうもないことで
 悩むなんてバカなんじゃないの?」

といった言葉をかけてしまうのとでは、
雲泥の差ですよね。

 

「相手の立場に立って考える」
という意味での
「思いやり」っていうのは、
こういうことじゃないかなと思います。

 

ちなみに、ご相談の中でも、
「相手がどうしてこんなことをしたのか、
 全然わかりません・・・」や

「相手がしようとしていることが
 全く理解できません!」

のようにおっしゃる方が
多々いらっしゃるのですが、
自分を基準にして考えてる限り、
それは分かってはこないでしょうし、
理解できるようにもなりません。

 

夫婦であっても、
トラブルに直面しているときには、
置かれた状況も見えている景色も、
180度違ったりしますからね。

 

もし、「相手のことが全然わからない。」
「相手の言動を理解できない。」

と悩ましく思ったときには、
自分の視点だけでなく、
相手の置かれた状況や
相手の視点を考慮して

「相手の立場に相手を置いたまま」
で考えてみると、
何かしら見えてくるかもしれません ^ ^ 。

 

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