思わぬ形でイライラから解放された話

イライラしないラクチン生活のすすめ
イライラしないラクチン生活のすすめ
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A子さんが「ある状況」にいつもイラついてしまう理由とは?

A子さんは、40代の既婚女性。

A子さんには、遭遇するとどうしてもイラついてしまうという、ある「状況」がありました。

A子さんは小型犬を飼っています。

雨の降っていない日は、飼い犬のCを散歩に連れていきます。

A子さんがどうしてもイラついてしまう「状況」というのは、Cと散歩しているときに起こります。

A子さんは、Cをよその犬に近づけたくありません。

なぜかというと、Cは他の犬と穏やかに交流することができず、すぐにガルガルしてしまうからです。

だから、A子さんはCとの散歩中によその犬とすれ違う時には、リードを短く持ってCがよその犬に近づけないようにします。

「リードを短く持って道の端を歩く」というのは、A子さんなりの「私はこの子を他の犬と交流させるつもりはありません」という意思表示。

そんなふうに「近づいてきてほしくない」という、A子さんなりの意思表示を示しているにもかかわらず、すれ違うときに自分の飼い犬とCを交流させようと距離を詰めてくる飼い主に遭遇してしまったとき・・。

そんなとき、A子さんは毎回たまらなくイラついてしまうのです。

「もうっ!なんでこの状況で近づいてくるの?!」

「こんなにリードを引いてるんだから、遊ばせたくないって分かるでしょっ!」

「空気読んでよ!空気!」

A子さんは、この「状況」に自分がこんなにもイラついてしまうのは、こちらの「遊ばせたくない」という意思表示を無視して近づいてくる飼い主の「無神経さ」「空気の読めなさ」に対してだと思っていました。

でも、A子さんがこの「状況」に毎度毎度たまらなくイラついてしまうのには、実は他の理由があったのです。

そして、その「他の理由」こそが、A子さんをイラつかせている「本当の理由」でした。

A子さんがその「状況」にイラついてしまう「本当の理由」。

それは、とても意外なものでした。

そして、その「本当の理由」に気づいてからは、同じ「状況」に遭遇してもA子さんはイラつきを感じることがなくなってしまったのです。

そう、その「本当の理由」に気づいたことでA子さんのイラつきは解消してしまったのです。

A子さんにイラつきの解消をもたらした「本当の理由」とは?

実は、A子さんは、他の犬と穏やかに交流することができないCがすぐにガルガルとしてしまう姿を見るのがイヤだったのです。

Cが他の犬と鼻先を合わせた後にガルガルとなってしまう姿を見るたびに、A子さんは「どうしてこの子は他のワンちゃんみたいに他の子と仲良くできないんだろう・・」と残念に思い、「子犬の時にちゃんと社会性を身に着けさせなかったから、こんなふうになっちゃったのかも・・」と自分を責めていたのです。

つまり、Cがガルガルするのを目にする度に、A子さんの心は自分の落ち度を責められているような、そんな刺激を受けていたのです。

だから、A子さんはCを連れているときには、Cのリードを短く持って道の端を歩き、他の犬に近づいてきてほしくないという意思表示をして、自分の心が刺激されるのを避けようとしていたわけです。

それなのに、その意思表示を無視(もしくは察せずに)Cに近づいてこようとする飼い主に遭遇してしまったとき・・

「また自分の落ち度を見せられる!」と心が無意識に刺激され、A子さんはイライラMAXになってしまっていたのです。

そう、A子さんがこの「状況」にたまらなくイラついていたのは、Cが他の犬と穏やかに交流できないことを「自分のせいだ」と感じ、自分を責めていたからなのです。

それが、A子さんがこの「状況」にたまらなくイラついてしまう「本当の理由」でした。

そして、その「本当の理由」に気づき、「あぁ、そうだったのか・・」とそのことに気づいたときから、その「状況」に遭遇してもA子さんはイラだちを感じなくなりました。

なぜなら、Cがガルガルしてしまうことについて、自分を責めるのをやめたからです。

「まぁ、子犬の時の飼い方が悪かったっていうのはあるかもしれないけど、この子の性格って部分もあるよね」と。

もちろん、飼い犬に一定程度の社会性を身につけさせることは必要なことだとA子さんも思っていますが、だからと言って、Cがガルガルしてしまうことについて「私のせいだ」と自分を責めることをやめたのです。

その結果、A子さんは散歩中のイライラから解放されることができました。

A子さんがイライラから解放されるまでの道筋

ここで、A子さんがどうやってイライラから解放されたのかを、もう一度確認しておきますと・・

A子さんは飼い犬のCが他の犬と穏やかに交流できないことについて、無意識のうちに自分を責めていたのですが、それに気づくまでは自分のこの「状況」でのイラつきは散歩中に近づいてくる無神経な飼い主に対してだと思っていました。

そして、このようにイラつきの原因を自分の外に見ているときには、そのイラつきに対してはなすすべもなく、できることと言えば、心の中でその飼い主に対して「空気読んでよ!」と悪態をつくことくらいでした。

しかし、実際には散歩中に近づいてくるよその犬とその飼い主は、A子さんの中に既にあるものを刺激しているに過ぎなかったのです。

「A子さんの中に既にあるもの」とは、「Cがガルガルするのは私のせいだ」と自分を責める意識や罪悪感。

A子さんは、散歩中に近づいてくるよその犬や飼い主に、A子さんの中に既にある「自分を責める意識」や「罪悪感」を刺激されイラついていたのです。

だから、A子さんがそのことを自覚し、自分を責めることをやめたことで、それまでのように「自分を責める意識」や「罪悪感」が無防備に刺激されることが無くなり、散歩中によその犬とその飼い主に近づいてこられてもイラつきを感じることがなくなったというわけです。

でも!
このA子さんのお話での大事なポイントは、「自責感」や「罪悪感」を解消せよ!ということではありません。

無防備に刺激を受けている「自分の中に既にあるもの」は「自責感」や「罪悪感」だけではありませんからね。

ここでの大事なポイントは、
・原因を自分の外に求めていると⇒なすすべがない
・原因を自分の内に求めてみたら⇒イライラが消えストレスが減った
という点です。

おっと・・誤解しないでくださいね。

これは「イライラしたり不快なことの原因は全部自分の中にある。だから、起きたことを自分の中でよ~く反省せよ!」といったことを言いたいわけでは全然ありません。

そうではなく、お伝えしたいのは「自分の外側ではなく内側に目を向けて対処していくと、思いがけずラクになれたりすることがあるよ」ということ。

もちろん、イライラすることや不快なことの原因がほぼ100%の割合で相手側にあるということもあると思います。

だから、絶対にそうだというわけではないですけどね。

イライラモヤモヤする結婚生活がラクで軽くなるかも・・

そして、ここで突然のネタばらしですが、このお話に登場するA子さんとは、実は、これを書いている「私」です。

このエピソードは、私の実体験なのです。

この私の実体験のお話は、犬の散歩中にすれ違うよく知らない人に対してのものなので、深刻度からするとかなり軽いものではあります。

でも、「外ではなく内に目を向けて対処していくと思いがけずラクになれることがある」というこのお話での大事なポイントは、深刻度や重要度の大きい結婚生活のイライラやモヤモヤに、より効果的なんじゃないかと思うんですよね。

なぜなら、結婚生活の中では、夫婦や親子といったごく近しい間柄の中で遠慮(配慮)のないやりとりがなされることが多いから。

そういった遠慮(配慮)のないやりとりの中で、「自分の中に既にあるもの」が無自覚&無防備なままに刺激され、イラついたりモヤモヤしたり、傷ついたり不快になったり、といったことがしょっちゅう起きているのではないでしょうか。

例えば、夫の何気ない言動にイライラモヤモヤして傷ついたりするのも、妻の話を聞くのがイヤでたまらないのも、このことが大いに関係してるんじゃないかと私は感じています。

つまり、この無自覚に刺激を受けている「自分の中に既にあるもの」に気づくこと。

ここがまずはとっても大事。

そして、それが今の自分に対して、望まないストレスをかける形で反応してしまうものなのであれば、そうならないように調整していくこと(例えば、A子さんが自分を責めることをやめたように)。

こういったことに、ちょびっとづつでも取り組んでいくことで、結婚生活、そして自分自身も、今よりももっとラクで軽いものになっていきますよ!

 

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