腹立たしいパターンから抜け出すヒント

日常生活での気づき
日常生活での気づき
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今回は、もし誰かとの関係で、同じようなパターンでイライラすることや腹立たしいことが続いているとしたら、自分の “やり方” を見直してみるといいかもよ、というお話です。

とあるご高齢夫婦のお話。

少し前にご主人の方が体調を崩して病院に入院。
無事に退院をしたものの、1か月以上に及ぶ入院生活によりすっかり体力が衰え、ご主人は入院前よりもだいぶ生活が不自由になってしまったとのこと。

幸い気力の方は衰えてはおらず、入院前の体力を取り戻して元気になりたいと、ご主人は強く願っているということでした。

奥様の方も、その思いを応援してあげようと、あれこれ調べたりしてご主人の体によさそうなものを購入してあげたりしたそうです。

で、問題はここから・・・

奥様がご主人のために購入してあげたモノ、たとえばプロテイン。

入院によって筋肉量がもの凄く減ってしまったと嘆くご主人の話を聞いて、「それなら、筋肉をつけるのに役立つだろう」と奥様はプロテインを購入してあげたそうです。

するとご主人、「これは、体のどこにどんな効果があるのか?」などどゴチャゴチャと聞いてきたあげく、結局、飲まなかったのだそうです。

当然、そんな態度をされれば、せっかくの気持ちを踏みにじられたようで奥様の方は憤りと悲しさを感じますね。

他にも、ご主人が便秘気味なことをとても気にしている様子だったので、腸内環境を整えてあげようと乳酸菌飲料を買ってあげたときにも、全く同じような反応で悲しい思いをされたようでした。

と、同じようなことが他にも数件あり、もう頭にきた奥様は「もう、あなたには何にもしてあげない!自分から言ってこないかぎり、もう何もしないから!」とキレてご主人に宣言したそうです。

さぁ、どちらが悪いのか・・?

まぁ、どちらが良いか悪いかで言えば、なんと言ってもご主人の態度がよろしくないですよね。

ご主人が体調を崩して入退院後、以前よりも身の回りの世話なども手がかかるようになっているでしょうから、奥様の負担は心身の両面で増していたはず。

そんな中でも、ご主人のことを思っていろいろと気を配ってくれている奥様の気持ちを無にするような言動は、やはりいただけません。

とはいえ、どんな理由でなのかは分かりませんが、ご主人はプロテインも乳酸菌飲料も飲みたくはなかったのでしょう。
自分が飲みたくないと思うものを、相手が自分を思って手配してくれたものだからということで無理にでも飲まなくてはならないというのは、それはそれで酷ってもんですよね。

じゃぁ、どうすればよかったのか?と言えば、奥様が自分のことを思って手配してくれたその気持ちに、ご主人がきちんと応えればよかったワケです。

「ありがとう。でも、コレコレこういう理由があって、こういうものはあまり飲みたくないんだ。せっかく用意してくれたのにごめんね」と。

まぁ、こう言ったとしても、奥様がムッとした可能性は高いとは思いますが、「ありがとう」も「ごめんね」もなしでゴチャゴチャとご託を並べられるよりかは全然マシでしょう。

まぁ、言い方というよりは、ご主人に奥様への感謝の気持ちがないということが問題の根本にあると思われますので難しいところではありますが・・。

もしかしたら感謝の気持ち自体はあるのかもしれませんが、ご高齢であり体調も思わしくないということで自分優先が勝ってしまっているのかもしれませんし、もともとの性格や習慣からして、奥様が期待するような反応をご主人が示してくれることは今後もなさそうです。

そして、ほとぼりが冷めた頃、奥様はまたご主人のために何かをしてあげることになり、その気持ちをご主人に無にされて憤るということがこの先も繰り返されるのだろうなぁと既に現時点で予想ができるわけです ^^;

となればですよ、奥様の方も少しご自分のやり方を見直してみてもいいと思うのですよ。

毎回毎回同じパターンを繰り返して、気持ちを無にされたことに憤って悲しんでいる・・。

これね、奥様が何かを手配する前に、ご主人に一言聞けばいいと思うのですよ。
「筋肉をつけるのにプロテインがいいって聞いたんだけど、飲んでみる?」と。

で、「要らない」と言われたら買わなきゃいいし、「欲しい」と言われたなら買ってあげればいい。

さすがに「欲しい」と自分が言ったのであれば、受け取るときに「ありがとう」と言うかもしれませんし、「ありがとう」と言わなくても、ゴチャゴチャご託を並べたあげく放置するということはないでしょう。

では、どうして奥様は何度もイヤな思いをしているのに、自分のやり方を見直すことなく同じパターンを繰り返してしまうのか?

それは、奥様の中に「人の好意は素直に感謝して受け取るべき」という、「人とはこうあるべき」という信念があるからなんですよね。

だから、奥様にとっては、間違っているのは「人としてあるべき姿」に反する言動を取るご主人の方なわけです。

だとしたら、その言動を改めるべきはご主人の方なので、ご自身のやり方の方には目が向かないということになるわけです。

でもね、こういう場合、ご主人に言動を改めさせるよりも、自分のやり方を見直した方がはるかにラクで簡単です。

「人の好意は素直に感謝して受け取るべき」という信念も、自分の信条として持っている分には良好な人間関係を築くのに良く機能するのでしょうが(時と場合と相手にもよるとは思いますが・・)、人に対してそれを求めると「期待」として落胆の原因にもなるってことですね。

というわけで、もし誰かとの関係で、同じようなパターンでイライラすることや腹立たしいことが続いているとしたら、相手のことはとりあえず置いておいて、自分の “やり方” やその裏に何か信念や価値観みたいなものが隠れていないかを見直してみるのがおすすめです。

現状を変えるヒントが得られるかもしれませんから。

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