うちの息子は、
土日祝日は所属している
少年野球チームの練習が
あるのですが、
雨が降ったりして
練習が中止になると
ガッツポーズで喜ぶ
困ったさんです。
親が勧めたり、強制的に
チームに入れたワケではなく、
自分から始めたいと
言ってきたので、
母である私もお茶当番や
(コロナでなくなったけど・・)
車出しなど、母担当のお役目を
こなしているというのに、
全く困ったもんです・・。
とはいえ、
私も中高生の頃は自ら望んで
剣道部に入部したのに、
練習がイヤでイヤでたまらなかったり、
練習が中止になると
大喜びしていたので、
ま、そんなもんですよね ^ ^ ;
で、そんな息子くんなので、
前日の天気予報が
「明日は雨」とか報じていると、
気になって何度も私に
スマホの天気予報を見せろと
せがんだりします。
さらに当日になって、
雨が降りそうな雲行きだけど
実際には降ってはいない
といった空模様だと、
何度も何度も
“ 窓を開けては空を仰いで
残念そうに窓を閉める ” を
繰り返したりします。
目の前で何度も何度も
窓を開けたり閉めたりを
繰り返されると、
いい加減うざったらしいので、
先日は思わず
「ホントにがっかりするのが
好きなんだねぇ♪」
と嫌味を言ってしまいました。
だってね、これまでもず~っと、
「練習がなくなるかも・・
って期待して、なくならないと
がっかりするんだから、
もう練習は “ ある ” って思っときな。
練習は “ ある ” って思っておけば、
中止になれば嬉しいだけで、
中止にならなくても
がっかりしないんだから」
と、がっかりしないための心得を
口を酸っぱくして
言い聞かせてきたわけですよ。
実際、空模様から
「これは中止かも・・」
という期待が高まっていたのに、
その期待が裏切られて
チーンと練習に向かうということが、
これまでにも数えきれないほど
あったわけで・・。
それなのに、
性懲りもなく何度も窓を開け閉めしては、
そのたびにがっかりしている姿を見て、
「あ~、こりゃもう、
がっかりするのが好きなのかもね・・」
と、半ば本気で思ったワケです。
まぁ「がっかりするのが好き」
っていうよりは、
「がっかりしたい」の方が
しっくりくるのかもしれませんが、
いずれにせよ、
「がっかりしたいんなら、
がっかりすればいい」んですよね。
決して、突き放して
そう言っているわけではなく、
彼が「がっかりしたくて、
がっかりしている」のであれば、
がっかりしないようにと
私が先回りをしてあれこれと口を出すのは、
彼にとっては
余計なお世話なのかもしれないなーと、
ふとそんな風に思ったのです。
で、
「がっかりするのが好きな人」
「がっかりしたい人」
には親戚がいて、
その親戚にあたるのが
「悩むのが好きな人」
「悩みたい人」
なのかな・・と。
「悩むのが好きな人」や
「悩みたい人」なんて言うと、
嫌味や揶揄のニュアンスが
含まれているように
思われるかもしれませんが、
決してそういうワケではなく、
良い悪いは置いておいて
「そういう性質」といった
意味あいで使っていますので、
あしからず・・。
で、「悩むのが好きな人」
「悩みたい人」の例ですが、
まだ結婚する前に、
実家の母と海外旅行を
することになったときのことです。
申し込んだツアーの説明の中に
「これはどういうことなんだろう・・?」
と疑問に思う箇所があったのですが、
その疑問は、自分の頭で考えて
答えがみつかるたぐいの疑問では
なかったので、
「まぁ、当日にでも
添乗員さんに聞けばいいや」と、
私はその疑問を放置しました。
で、旅行前に実家に帰って
母と旅行について話してみると、
母は私が疑問に思ったことを
同じように疑問に思い、
ずっと心を悩ませていたようでした。
そして私に
「あんた、これ、疑問に思わなかったの?
いつか電話してくるかと待ってたけど
全然電話してこないんだから・・。
私なんてずっと考えてのに・・」
と文句を言ってきたので、
「もちろん疑問には思ったよ。
でも、これっていくら考えても
添乗員さんとかに聞かなきゃ
分かんないことでしょ。
悩んでもしょうがないことで
悩みたくないのよ、ワタシは」
と答えたところ、
母はヤレヤレとあきれ顔でした。
そうなのです。
私は
「悩んでもしょうがないことで
悩みたくないタチ」なのです。
そして、母は、
(そう言われたらきっと怒ると思いますが)
「悩みたいタチ」なのです。
「悩みたくないタチ」と
「悩みたいタチ」の人は、
タチが違うので、一緒にいると
「なんでこれで悩むの?」
「なんで分かってくれないの?」と、
お互いにフラストレーションを
抱えることもしばしばです。
お互いのタチの違いから
衝突が起こると
「どっちが正しくてどっちが悪い?」
という話になりがちですが、
でも、これが、
良い悪いを超えて
タチの問題なのだとすれば、
「違うタチの人に対して、
どう臨んだらいいか?」
という話になりますよね。
タチが違う者同士が
夫婦になっている場合には、
この衝突は日々いたるところで
発生していることと思いますが、
私は「悩みたくないタチ」なので、
ここでは「悩みたくないタチ」からの
お勧めのアプローチを
書いていきたいと思います。
夫婦の場合でいえば、
わりと夫の側に多いタイプ
だと思いますので、
特に、妻から
「思いやりがない」とか
「自分勝手」と
非難を受けることがよくある方は、
参考になるかもしれません。
まずですが、私自身は
「悩んでもしょうがないことで悩まない」
というのは、心の消耗を防ぐ上で
非常に役立つスタンスだと思っています。
なので、
自分の考え方として
このスタンスを自覚的に採用するのは、
男女問わずでお勧めです。
でも一方で、
今現在悩んでいる人に対して
「悩んでもしょうがないことで
悩むのはやめなよ」
などとアドバイスすることは、
全くお勧めできません。
なぜかと言うと、
「悩んでもしょうがないことで悩まない」
というスタンスを取っていない人に、
それを押し付けたり強要したりするのは、
たとえそれが「相手によかれ」と
思ってのことであっても、
たいていは「思いやりに欠ける」行為と
受け取られてしまうからです。
世間一般的には、
クヨクヨと悩むことは、
後ろ向きというか、
避けるべきことのように
捉えられているので、
悩んでいる人を見ると、
その人を励ましたり、
そこから引っ張り出そうとして、
悩むのをやめさせる方向で
働きかけることが多いように思います。
でも、悩んでいる人に、
特に夫婦間、もっと言うと、
夫が悩んでいる妻に
「悩んでもしょうがないことで悩むな」
というアドバイスをするのは、
往々にして
「気持ちを分かってもらえない」
「気持ちに沿ってもらえない」
という印象を与え、悪くすると
「思いやりのない人」認定に繋がります。
むやみに悩んだりがっかりすると
心が消耗するので、私自身は、
悩んでもしょうがないことでは
悩まない方がいいと思っていますし、
むやみにがっかりしない方がいい
と思っています。
なので、自分の力では
どうしようもないことについては、
「ま、いいや」と
放置することが多いですし、
何かや誰かに
無自覚にむやみな期待も
かけないようにしています。
そして、それは確かに心の消耗や、
イライラやモヤモヤの発生を
防ぐ上で役立っているとは思いますが、
だからと言って、その考え方を
今現在悩んでいる人に勧めても、
望んでいない価値観の押し売りとして
ありがた迷惑になってしまうのが
オチです。
たとえ、それが
「悩んでいてつらそうだから
解放してあげたい」
「気持ちをラクにしてあげたい」
という優しい動機からだとしても・・
なので、
夫婦仲を改善したいという思いを
抱いているのであればなおのこと、
悩むのをやめさせようと
するのではなく、
悩んでいる相手の心情に
心を寄せてあげることがお勧めです。
それにね、
私が息子にがっかりするのを
やめさせようとしていた
エピソードからも分かるように、
悩んだりがっかりさせるのを
やめさせたいのは、
自分の目の前で悩んだり
がっかりされたりするのが
面倒くさかったりうざかったり・・
って要素も、実は
大きかったりするんですよね。
表向きは「あなたのために」
「よかれと思って」という言動が、
実は、煩わされるのがイヤだったり、
その対応がうざかったり
面倒くさいからだとすれば、
相手から「思いやりがない人」
認定をされるのも、
あながち間違ってはいないと
言えるのかもしれません。
以上から、
自分は「悩みたくないタチ」
だという方も、
妻や夫が悩んでいるときには、
その心情に寄り添ってあげるのが
正解だと私は思っています。
逆に、
一線を引いた方がいいと思うのは、
相手が親の場合。
冷たいようですが、親に対しては
「自分はこういう性格だから、
そういうことでは
一緒に悩んではあげられない」
ということを宣言しておくことは、
心の消耗を防ぐ上でも
有効なように思います。
今日のテーマからはズレますが、
親と配偶者では、
利害が相反することも
多々ありますので、
親 vs 配偶者の場面に直面したときでも、
そういった線引きをあらかじめしておくと、
いろいろとラクになるのでは
ないでしょうか。
「悩みたくないタチ」の人は、
わりと合理的な考え方をする人が多いので、
「どちらが正しいか」
「どちらが無駄がないか」
「どちらが賢い考え方か」
といったアプローチで家庭内の問題にも
当たろうとする傾向があると思いますが、
妻や夫が悩んでいるときには、
ぜひ、そのタイトな対応を
少し緩めてみてくださいね!
「悩みたい人」VS「悩みたくない人」
この記事は約7分で読めます。