今回は、前回の記事で
2つに分けた
内側に起因するイライラのうちの、
ひとつ目として挙げた
「『誰か』や『何か』に対して、
抱いている期待が
自分の中にあるという場合」
について書いていきたいと思います。
「誰か」や「何か」に対して、
「こうだったらいいな・・・」
「ああしてくれたらいいな・・・」
といった期待は、
誰もが自然に持っていると思います。
これが、対他人に対してであれば、
普通に線引きできるというか、
赤の他人に対して、
過剰な期待を抱くということは、
あまりないですよね。
ところが、夫や妻、
子どもといった家族に対しては、
知らず知らずのうちに、
過剰というか
現実に合っていない期待を抱いたり、
自分の価値観の押し付けを
してしまうんですよね。
で、
その現実に合っていない期待が
裏切られると、
イライラや怒りを感じたりするわけです。
まぁ、でも、
「期待が裏切られる」というよりも、
上述したように、
抱いた期待が
現実に合っていないがために、
実際の現実とのズレを認識したときに、
イライラや怒りを感じたりする、
と言った方が適切なのかもしれません。
で、こういった場合の
イライラや怒りについて、
どう対処していったらいいのか
ということですが、
ここでは、
それに対するお勧めの本を
1冊ご紹介したいと思います。
その本は、
精神科医の水島広子先生が著書の
『お母さんの心がラクになる!
怒らない子育て』(青春出版社)
です。
『怒らない子育て』という
タイトルの通り、
これは夫婦関係についての本ではなく
「子育て本」です。
で、話は、
やや(かなり?)脱線しますが、
ワタクシ、
子どもが生まれてから
(生まれる前からだったかな・・)
子どもが幼児くらいの間までに、
かなりの数の子育て本を読みました。
図書館から借りて読んだものも
たくさんありますが、
購入して読んだものも多く、
一昨年に断捨離に取り組むまで、
そういった類の本が
どっさりと家の中に置いてありました。
で、なんだってそんなに多くの
子育て本を読んだかと言いますと、
「子育て」は、私にとって、
「そんなのお母さんになれば
自然にできるよ~」
といった感じで臨めるものでは
なかったからですね。
と言いますのも、実は私、
物心ついた頃には、
「将来、子どもは産みたくないな」
と思っていました。
なぜかと言えば、
「私が子どもを産んで育てたら、
きっと私みたいな子になるだろう。
そうなったら、その子が可哀そうだ」
と、当時は思っていたからですね。
成績優秀な優等生として
(自分で言うな!ですが ^ ^ ; )
過ごしていたはずなのに、
なんという自己肯定感の低さ・・・!
あ、でも、両親、
特に母の名誉のために
申し添えておきますと、
別に私は虐待されて
育ったわけではありません。
むしろ、母はよく
「子どもは親を選べない。
だから親は、子どもが
『生まれてきてよかった』
と思えるように育てて
あげなくちゃいけないのよ」
と言っていましたし、実際、
大切に育ててもらったと思います。
つまり、母は、
「親は子どもを幸せに
してあげなくてはいけない」
という信念を持って
子育てをしていたと思うのですが、
「何をもって幸せとするのか」
っていうのは、
まぁ、難しいですよね・・。
「その当時の空気」
というものもありますし、
多分、母が考えていた
「わが子の幸せ」とは、
「勉強やその他、
社会で生きていくための
スキルを身に着けて、
しっかりとお金を
稼げるようになること」
だったんじゃないかなと思います。
こうやって書いてみると、
それが「幸せ」かどうかについては、
さて置くとしても、
親が子に身につけさせてあげたいと
考えることとしては、
何も間違ってはいないですよね。
間違ってはいないと思いますが、
「もっともっと」
「上を目指して」
「もっとできる」
「もっと頑張れ」と、
何かができること、
秀でていることを求められて、
その期待に応えていった結果、
私の自己肯定感は
「自分のようになったら可哀そうだ」
と思うくらいに
下がってしまっていた
というわけです。
なんとも、皮肉な話ですよね・・・。
まぁ、私のこの自己肯定感の問題は、
二十歳くらいに
自分の内面と向き合う機会を得て、
その後の試行錯誤の結果、
結婚するまでには解消していたので、
結婚後は子どもを持つことについての
ためらいなどは全然ありませんでした。
ただ、
上述したような自分の過去の経緯から
「どう育てたら
自己肯定感を育むことができるのか」
「どう育てると自己肯定感を損なうのか」
ということについては、
大きな関心があり、それがために、
かなりの量の子育て本を読んだ
というわけなのです。
で、この『怒らない子育て』は、
断捨離をした際に、
手放さないで手元に残した
数少ない子育て本のうちの
1冊なのです。
私は、
著者の水島広子先生の本が好きで、
今でも、水島先生の本は、
家にたくさんあるのですが、
この『怒らない子育て』は、
私が初めて手にした水島先生の本です。
この本が想定している読者は、
「幼児から思春期前までの
子どもを持つ母親」
だと思いますが、
ベースに流れている考え方は、
子育てに限らず、
良好な夫婦関係の構築にも
とても有効だと思います。
内容的には、
「怒り」をコントロールする方法について、
まずは「怒り」のメカニズムを
理解するところから始まり、
その理解に基づいて、
いろいろなケースについて
具体的な考え方を提示する
という形で進んでいきます。
この本で述べられている
「怒り」のコントロール方法を、
私なりに、ものすご~く、
はしょってお伝えしますと・・・
「怒り」というのは、
ただの不快な感情、
忌むべき感情ではなく、
自分が「困っている」ということを
知らせてくれる、
生きていくために必要な感情である。
怒りという感情は、
「期待と現実の違い」が
強く感じられるときに
起こってくるもの。
対処方法としては、
期待をやめるのではなく、
期待の内容を、
その対象や状況に照らして
現実的なものに変えていこう。
ということになるかと思います。
我ながら、
もの凄い「はしょりっぷり」です ^ ^ ;
こんな、はしょった説明では、
この本の良さは
全然伝わらないとは思いますが、
子育てだけでなく、
夫婦関係にも応用できると思いますので、
思春期前までのお子さんをお持ちの方で、
夫婦関係でイライラを
感じることが多い方や、
感情のコントロールに
悩みを感じていらっしゃる方は、
ぜひ、ご自身で読んでみて
いただければ・・・と思います。
期待って、
愛情とワンセットのように
感じられることもあり、
夫や妻、子どもなど、
自分が愛情を向けている相手には、
無意識のうちに
息苦しく感じられるような期待を
してしまっていることも
あると思います。
「こっちは、こんなに
してあげているんだから・・・」と、
当然のように過剰な期待をしている
ということもあるかもしれません。
でも、夫も妻も、親も子どもも、
別の人間なんですよね。
自分の期待に相手が応えることが
当然のように感じる場合には、
自分が相手との間に
境界線をきちんとひけているかを
確認してみた方がいいかもしれません。
今回、ご紹介した
水島先生の『怒らない子育て』の中でも、
境界線問題は軽くではありますが、
触れられています。
家庭でのイライラを軽減し、
心地よい結婚生活を送るための
参考にしてみてくださいね!