2022.7.30
アゲハ蝶のさなぎを襲った悲劇
スマホの機能で、
「5年前の今日の写真を見てみよう」
みたいな感じで、前に撮った写真が
表示されたりするのですが、
この夏の時期になると、
5、6年前にアゲハ蝶の飼育を
していたときの写真が
よくアップされます。
当時、実家にあった柑橘類の木から、
さなぎになる前の幼虫や卵を
取ってきて虫かごの中で
何匹も飼育していました。
実家からもらってきた葉っぱを
適宜補充しつつ、幼虫に
「いっちゃん」「にぃちゃん」
「さんちゃん」と
イージーな名前をつけて、確か、
「ろくちゃん」「ななちゃん」
くらいまでは育てておりました。
彼女(彼?)らは、
卵からかえると、
小さな小さな黒と白の
まだらの幼虫から始まって、
大きな緑の幼虫になるまで
幾度も脱皮を繰り返し、
最後に幼虫の衣を脱ぎ捨てて
さなぎになっていきました。
そして、事件は
「いっちゃん」がさなぎになって
少し経ったときに起こりました。
最初の異変は
「いっちゃん」がさなぎになって
間もないうちに現れました。
さなぎになった「いっちゃん」に
黒い斑点のようなものが
出ていたのです。
「おや?」と思ってはいたものの、
その斑点が何であるかを
知らなかったので、
そのままにしていた数日後の朝、
悲劇は起きていました。
朝起きて、虫かごの中を見ると、
「いっちゃん」のはずのさなぎが
真ん中くらいから破壊され、
その下には、小豆のような粒が
2、3粒落ちていたのです。
「ひぃ~、なに、なに、
なんなの、これは?!」
と半ばパニックになった
私の頭には、昔、フジテレビで
よく放送されていた
「世にも奇妙な物語」の
オープニングテーマが
♪ダララララン ダラララン
ダララララッタ ダララララン♪
とエンドレスで流れていました。
一体、なんの仕業なの?エイリアン?
と思ってしまうくらいの、
もう、まさにホラーな光景。
で、「ひぃ~」となりながらも、
ネットで何が起きたのかを
検索してみたところ、
それはハエの寄生によるもの
であることが判明しました。
アゲハ蝶の幼虫に寄生をするのは、
主にハエとハチのようでしたが、
うちの「いっちゃん」に
寄生していたのは
ヤドリバエという
ハエだったようです。
いくつかの記事を
検索して分かったこと。
①ハエたちは、アゲハ蝶が
まだ幼虫のうちに
その体内に卵を産み付ける。
②そして、アゲハの幼虫が
さなぎになると、そこで孵化して、
アゲハのさなぎから
うじ虫となって出てくる。
③自然界では、ハチやハエに
寄生されてしまうことの方が多い。
あな、恐ろしや。
あれ?でも、私が見たときには
小豆のような状態だったということは、
ハエたちは私が寝ている間に
うじ虫を通り越して
さなぎになっていた
ということでしょうか?
だとしたら恐るべしな
成長の速さですが、事実、
虫カゴの底にあったのは
這い回るうじ虫ではなく、
コロンと転がっている
小豆状のものだったので、
きっとそういうことなのでしょう。
さすが、ハエ。
たくましさというか
生命力の強さのようなものを
感じました。
寄生されたアゲハ蝶のさなぎに重なったのは、ある女性のイメージ
それにしても、
さなぎになった第一号として、
「いっちゃん」が蝶として
さなぎから出てくるのを
心待ちにしていたというのに、
なんたること・・。
ですが、その時、
「いっちゃん」の
その変わり果てた姿
(というか、
“変わった”のではなくて
“全く違うもの”に
なっていたわけですが)
を目にして、
それに重なるイメージとして、
私の中にはある一人の女性の姿が
浮かんでいました。
その方は、
旦那さんによる不倫・浮気によって、
心にかなり深い傷を
負ってしまっている方でした。
もともとは旦那さんのことが大好きで、
一番の望みは、他の女性に
目がいってしまった旦那さんに、
もう一度こっちを見てほしい、
昔のようにもっと自分を
愛してほしい
ということだったのですが・・
その気持ちが強かった分
ということもあるのでしょうが、
不倫相手の女性に対する
恨みつらみも相当に強く、
自分を裏切った旦那さんに対しても
「不倫相手に注いだよりも
もっと多くの愛情を
自分に注いでほしい・・、
でも、許せなくて苦しい」
というアンビバレントな
感情を向けており、
かなり精神のバランスを崩して
しまっているような感じでした。
そこに、
自分を裏切った旦那さんを
罰してやりたい気持ちも加わり、
第三者である私からすると
「そんなことを続けていると
旦那さんは疲れ果てて関係修復を
投げ出してしまうかも・・」
と感じてしまうような、
そんな状態に陥ってしまっていました。
本当だったらアゲハ蝶が
出てくるはずだった
「いっちゃん」のさなぎ。
どこかでヤドリバエに
卵を産み付けられ、
いつしか孵化したそれに
体を乗っ取られ、
さなぎから出てきたのは、
本来出てくるはずだった蝶とは
全く違うものでした。
この女性も、もともとは
旦那さんのことが大好きで、
もっとこっちを見てほしい
という切なる思いを
叶えたかっただけなのに、
どこかで恨みや憎しみの
卵を産み付けられ、
いつしか孵化したそれに
心を乗っ取られて
しまっているようでした。
そして、
その恨みや憎しみに
乗っ取られた心から出てくるのは、
今でも大好きな旦那さんを
求めているにもかかわらず、
旦那さんを追い詰めてしまう
ようなふるまいばかり。
“もともとあったものが、
何か違うものに乗っ取られ、
全く望んでいない
違うものになって現れてくる”
目の前にあった虫かごの中の光景は、
私にとってはまさに“惨事”でしたが、
そのイメージは
この女性の身に起きていることに
通じるものがあるように
私には感じられたのです。
ちょっとグロテスクな
イメージではありますけどね・・。
不倫・浮気で苦しんでも蝶としてさなぎから出てきてほしい
旦那さんの不倫・浮気後に、
この女性と同じような
状況になられて
苦しんでいる方は、
きっと多くいらっしゃると思います。
うちの「いっちゃん」は、
ハエに乗っ取られて、
蝶になることはできませんでしたが、
同じような状況で
苦しんでいる方には、
今が動けなくて苦しい
さなぎのような時期であっても、
なんとか恨みや憎しみに
心を乗っ取られ切らずに、
本来の姿である蝶として
さなぎから出てきてもらいたいです。
ちなみに、今回、
この記事を書くにあたって、
再度、アゲハ蝶の寄生について
検索をしてみたところ、
寄生をされても蝶として
羽化することもあるという
記事を見つけました。
卵を産み付けられても、
乗っ取られ切らずに
蝶になった子もいるんだなぁと
嬉しくなりました。
私も、望まぬ何かにいったんは
心を乗っ取られてしまったとしても
蝶としてさなぎから
出てこれるようなお手伝いを
していけたらと思っています。