弱さを受け止められる強さ

ドラマ・映画から
ドラマ・映画から
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なかなかブログを更新できないままに、
季節はすっかり
夏になってしまったようです・・・。



今年は新型コロナでの
緊急事態宣言もあったからか、
季節が春を通り越して
冬から一気に
夏になってしまったように感じます。



と言っても、
今日は、梅雨寒で涼しいですが・・・。



今朝、
NHKの朝ドラの
「エール」を見ていたのですが、
なんだか、
ちょっと切ないお話でしたので、
今日は、そのお話を・・・



今週はスピンオフで、
昨日今日の2回は、
ヒロインの音ちゃん憧れの
オペラ歌手「双浦環」さんの
若い頃の話でした。



後編の今日は、
まだ売れていない頃、
パリで世界を目指して
修行していた環さんと
画家である当時の恋人との
葛藤が描かれていました。



かいつまんで、
話の内容を説明しますと・・・



東洋人への差別などもあるものの、
日本を舞台としたオペラ
「蝶々夫人」が上演されることになり、
日本人である環に、
大きなチャンスが巡ってきます。



一方、恋人の画家の方は、
パリで待望の個展を開きますが、
思うような評価を得られず、
画家としてなかなか
世に認めてもらうことができません。



環は「蝶々夫人」のオーディションで
最終選考まで残り、
世間の評判も高まりつつありましたが、
恋人の画家は
周囲から環を褒められるほどに、
嫉妬や焦りを募らせることに・・・。



そんな中、
環は見事「蝶々夫人」の主役を射止め、
パリに戻ってきて、
恋人と喜びを分かち合おうとします。



そして、
恋人とアパートで再会して、
思わず泣いてしまった環を見て、
オーディションに落ちたと勘違いして
なぐさめようと環を抱きしめた恋人に、
実は落ちたのではなく
「蝶々夫人」の主役を
勝ち取ったことを伝えると・・・



恋人は、
自身が描いた絵に
ナイフを何度も突き立て、


「俺が町のカフェで
 個展をやらないかと言われて
 いい気分になっているときに
 君はオペラハウスだ。
 バカみたいだろう。
 何を喜んでるんだ。
 俺と君の何が違うんだ。
 俺は・・・」


と苦しい心の内を吐露します。



そして、床に膝をついて
涙を流しながら、


「君の失敗を願ってる・・。
 どんなに喜ぼうとしても、
 心の奥底から嫉妬があふれてくる。
 俺は君といる俺が嫌いだ。
 君といると、
 俺はどんどん嫌な奴になる。
 俺は、君という光の影でいるのは、
 堪えられない・・。
 環、歌を歌を諦めてくれ。
 君を愛してる。
 頼む、頼む・・・・」

と、続けます。



で、場面は、
二人がよく訪れるカフェに移って・・。



二人の涙のやりとりがあった後
と思われる夜のカフェ。



お客は誰もおらず、
店内には環と店主の二人のみ。



なぜかすべてを知っている様子の、
ピーター・フランクル扮する店主は、
「おめでとう!どうするんだい?」
と環に声をかけます。



それに対して、
「私は光でいたい。傲慢ですか?」
と尋ねる環。



そして、ピーター・フランクルは
「自分に嘘をつくことが最大の罪です。
 それでいい。それが君の人生だ。」
と環の背中を押す・・・。



・・・・・・・・・・



と、まぁ、こんな感じで
まだ話は続くのですが、
あらすじの説明はここまでにして・・。



なんか、この恋人の心情の吐露を、
こうやってただの文字にしてしまうと、
この恋人が、
「才能ある彼女の足を引っ張る
 ただの器の小さな男」のように
感じられてしまうかもしれませんが、
映像でみると、
とても切ないシーンでした。



まぁね、
「彼女や妻の成功を
 我がことのように喜び、
 更なる発展のための応援を惜しまない」
というのが、彼氏や夫、
器の大きな男としての理想像
といえるのかもしれませんが、

でも、まぁ、
そこは「人間だもの」・・・。

実際には、なかなか難しいですよね。



でも、
自分のドロドロした
本当だったら隠したいような暗部を
さらけ出して、環に
「歌を諦めてくれ」とまで言ってしまう、
この恋人・・・。


私は、正直で、
自分の暗部を自覚できる、
実は心の強い人なのかも・・と
思ったりします。



こういう状況で、
彼女や妻に正直な心情の吐露って
なかなかできないと思うんですよね。
(ま、今回は、
 心情的にかなり追い詰められた結果、
 装うことができなくて、
 本音が爆発してしまったのかも
 しれませんが・・・)



だいたい、こういった状況では、
こういう自分のドロドロした心情から
目をそらすために、
「相手を下げる」ってことが
(無意識のうちに)始まることが
多いんじゃないですかね。



「お前は世間知らずだから
 分からないだろうが、
 そんなにたいしたことじゃない」
 とか

「うまくいくはずがないからやめておけ」
 とかね・・。



で、パワハラやモラハラが
始まっていったりして、
ソフトに彼女や妻の力を
削ぎにかかったり・・。
(と言っても、
 こういったことは
 男女間に限っての話では
 ないですけどね)



相手を思いやることや
守ろうとすることを装って、
そうするときもあるでしょうね。



「装って」というよりも、
自覚としては、
本当にそういうつもり(善意)
なのかもしれないですけどね・・。



愛しているけど、一緒にいると、
本当は喜んであげたいのに
喜んであげられない自分
嫉妬せずにはいられない自分
小さくて情けない自分
そんな見たくない自分の姿を
自覚せずにはいられない・・・



洋の東西を問わず、
ドラマや映画などで目にする
テーマですが、
切ないですね・・・



切ないですが、
それを自覚できるということは、
モラハラやパワハラに移行しない
強さも備えているということ。



自分の弱さを隠すために、
人を傷つけることのないように、
自分の弱さを受け止められる
そんな強さを備えていきたいなぁ・・と
一日の終わりに改めて思った
今日なのでした。


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